2014年12月10日 06:00
パーキンソン病の2つの原因遺伝子が神経保護する仕組みを解明
今回の発見に基づき、ミトコンドリアにリン酸化ポリユビキチン鎖を人工的に付加することを試みた結果、パーキンソン病モデルショウジョウバエのミトコンドリアの変性を改善させることに成功したという。
同研究所は、「今後は、PINK1やParkinと同じような作用をしタンパク質のスイッチを操作する人工的な方法を開発し、不良ミトコンドリアの除去によるパーキンソン病の効果的な早期予防に向けて、さらなる研究をしていく予定です」とコメントしている。
※1 ミトコンドリア
細胞の活動に必要なエネルギー(ATP)を作る細胞小器官。不良ミトコンドリアとは、損傷をうけて機能が低下した状態のミトコンドリアを示す。この器官の損傷や老化が進むと、酸化ストレスの原因となる活性酸素種が器官内部から漏えいする。
※2 中脳ドーパミン神経
パーキンソン病において神経変性が起こる神経。この神経が変性するとパーキンソン病で見られる運動機能障害(手足の震え、筋肉の硬直、姿勢制御の障害など)が起こる。
※3 PINK1、Parkin
PINK1遺伝子、Parkin遺伝子から作られるタンパク質は、それぞれ同名のPINK1、Parkinと名付けられている。