2014年12月11日 13:30
人類が初めて手にした火星行きの船「オライオン」 (1) 初の宇宙飛行に成功したオライオン宇宙船
米東部標準時2014年12月5日7時5分(日本時間2014年12月5日21時5分)、米フロリダ州のケイプ・カナヴェラル空軍ステーションから、デルタIVヘヴィ・ロケットに搭載されたオライオン宇宙船の無人試験機(EFT-1)が打ち上げられた。オライオンEFT-1は約4時間半にわたって宇宙を飛行し、太平洋上に帰還した。
今回は、オライオン宇宙船の概要から、今回の初飛行ミッションの顛末、そして将来計画について、3回に分けて紹介したい。
○NASAの新宇宙船「オライオン」
オライオンは、NASAとロッキード・マーティン社で開発が進められている宇宙船だ。いわゆる「NASAの宇宙船」としては、スペースシャトルの後継機に当たる。ちなみに日本ではオリオンという表記が定着してしまっているが、NASAでは英語読みでオライオン(もしくはオライアン)と呼んでおり、オリオンというのは間違いである。したがって本稿ではオライオンと表記する。
スペースシャトルの後継機とはいえ、スペースシャトルとオライオンは見た目からして大きく異なる。
大きさも違えば、オライオンには翼もなく、退化してしまったようにも見える。
しかし、地球低軌道までにしか人を運べなかったスペースシャトルとは違い、オライオンはより遠くの星へ飛べるように造られている。