早大、攻撃性を抑制させるための脳内の仕組みの一端を解明
今回の研究はウズラを使ったものなので、ヒトの場合はそっくり同じ仕組みではない可能性もあるが、攻撃性を制御する仕組みの一端が解明されたといえるだろう。筒井教授らは今後、実際に人間にも同じ仕組みが存在するかどうかを明らかにするため、引き続き研究をしていくとした。
ただし、ヒトの脳の研究はおいそれと頭を切り開いて研究するわけにもいかないため、次のステップとしてマウスなどのヒトとは別のほ乳類を使って今回と同様の仕組みがあるのかどうかの研究も行われている。もし研究が進んでヒトにも同じ仕組みが備わっていることがわかれば、ヒトの攻撃性の高まりを安定させる方法の開発が可能となり、社会における平和や秩序の維持への貢献が期待されるという。
ちなみにE2は食べ物に混ぜたり薬として飲んだりしても胃腸で分解されずに吸収され、なおかつ通常は関門があるので届きにくい脳内にもステロイドなので届くので(ペプチドは届かない)、攻撃性を抑えるための飲み薬などにしやすいという。もちろんこれからの研究においても、飲むだけで脳内のE2の量を変えられる点は非常に実験をしやすいとしている。ただし、前述したようにヒトの場合は頭を開いて検査するわけにはいかないので、E2を計測するための新しい技術は必要だという。