早大、攻撃性を抑制させるための脳内の仕組みの一端を解明
画像10のグラフは、GnIHの量(単位は分子量モル(M))の違いによるアロマターゼの活性を表したもの。GnIHの量が増えるにつれ、アロマターゼの活性が増えているのがわかる。
画像11のグラフは、E2が作られる量を表したもので、「Vehicle」は通常、「GnIH+RF9」はGnIHとGnIH受容体阻害剤を加えたもの、「GnIH+FAD」はGnIHとアロマターゼ阻害剤を加えたものだ。GnIHのみが同様に最も量が多い。つまり、GnIHはアロマターゼを刺激して、E2をより著しく増産するということがわかったのである。結果、E2が増えることが攻撃行動を抑えるということが判明したといわけだ。なお、今回のGnIHによるアロマターゼを介した女性ホルモンを増加させる仕組みは、初めての発見となる。
そして画像12は、それを証明するために行われた、投与実験だ。
E2の量を変えることで(横軸)、ウズラの攻撃行動(縦軸)がどのように変化するかというのを表したグラフである。E2は前述したように、攻撃行動にも必須であることから、低濃度の1ngの時は最も攻撃性が高くなっている。
しかし、その10倍の高濃度になると一気に減り、大人しくなっているのが見て取れるはずだ。