民間月面探査チーム「ハクト」が走行試験を公開、縦孔探査のデモも
実際に500m走るとなると数時間かかってしまうため、当日は100m程度の走行距離にとどめたが、数日前のテスト走行で、すでに500mの走行は達成しているそうだ。
なお、実際の月面でのオペレーションを模擬するため、今回の実験では「ローバーからの映像やデータだけで遠隔操縦する」「月・地球間の電波の遅延として3秒のディレイを入れる」「通信速度を100kbpsに制限する」などの制約条件を課していたが、特に問題は無かったようだ。
○ユニークなデュアルローバーシステム
Moonrakerも小型であるが、さらに小さいのがTetrisだ。サイズは27(W)×54(D)×21(H)cm。2つの車輪と長い尻尾を使って、日本の伝統的な玩具である糸車のように進むことができる。もし資金が足らずにMoonrakerの相乗りが難しくなった場合は、Tetrisだけを月面に送ることになってしまうが、Tetris単独でも走行できるよう設計されており、GLXPへの挑戦は可能だ。ただし、ハクトが目指すのはあくまでもMoonrakerとTetrisを連携させた「デュアルローバーシステム」である。このシステムによって、同チームが行おうとしているのが月面の縦孔探査。