2015年1月7日 10:30
文学部は本当に就職に弱いのか?(後) - 「言葉」を操るスキルをもっと活かせるはず
真面目な学生ほど言葉を操る楽しさや苦しさに振り回されているので(笑)、当然コミュニケーション能力は高くなります。早稲田大学文化構想学部 文芸・ジャーナリズム論系の渡部直己先生(文芸評論家、早稲田大学文学学術院教授)は『エントリーシートへの記入も面接での回答も、試験官を言葉で誘惑する行為だろう。これだけ言葉に触れることができる学科にいてなぜ就職に不利だと思うんだ?』と言うんです。もし文学部にいるから就職に不利だと思い込んでいる学生がいたら、わたしはこの名言を届けたい」
――4年間、言葉を操ってきた文学部生が、その悪魔的な能力をもって試験官の心を操れば、意中の企業への就職へも可能なはず、というわけですね
トミヤマ先生「そうですね(笑)。言葉を使わない仕事ってまずないですから、文学部生はむやみに落ち込まないで、言葉のプロとしての自覚を持って欲しいです。それに、我の強さは文学部生のウィークポイントでもありますが、ちゃんと使えば十分武器にもなります。文学部では、教科書の内容を暗記するだけではだめで、そこに自分ならではの新しいアイデアをプラスしないと評価されません。ただ我が強くてわがままなのではなく、自分の感性を頼りに新しい何かを見つけ、それをみんなに提供できる人材なんだ! ということをきちんと説明できれば、採用してくれる会社は絶対にあります」