12月の青年漫画ランキング1位は、おなかにいっぱい、あやかしの種
ピアノに興味がなくとも、ページを進めたくなる著者の手腕に脱帽。聴くものを幸せな気持ちにする海のピアノは、果たしてどうなるのか? 自分の目で確かめてほしい。
○刻刻
堀尾省太の「刻刻」は、時を止める“タイムストップサスペンス”。代々伝わるという「止界術」を使い“世界を止める”ことができる佑河家だが、失業中の28歳・樹里を筆頭に、家では父の貴文(たかふみ)と、兄の翼(つばさ)、じいさんと、三代のダメ男がヒマを持て余している状況だ。
ある日、甥の真(まこと)が翼とともに誘拐されるところから物語は始まる。身の代金を渡す期限に間に合わなくなったとき、じいさんは代々伝わるという「止界術」を使い世界を止めた。すると止まっているはずの世界に何人もの“動く人間”が現れ、佑河家を襲い始める。
そして止まった世界にのみ現れる異形の存在「管理人」……“動く人間”は何を狙っているのか、「管理人」とは何なのか? 時間が止まるという過去にいくつも語られてきたファンタジー。
しかしその “動く人間”や「管理人」などが、物語をより複雑に摩訶不思議なものにしている。
次に何が起こるのか、キーマンは誰なのか……気になるポイント満載で、ガンガン読み進めていきたい。