世界中から狙われる日本 - 2014年のサイバー攻撃の動向から考える、2015年の対策とは?
例えば、2014年の2月にFlashPlayerの脆弱性をついた攻撃がありましたが、その90%以上が日本※4へ向けたものでした。先ほど不正送金の例を挙げましたが、実はオンライン銀行の取引を標的とした攻撃についても日本が世界で1位※5となっています。しかも、犯人はほとんど捕まっていません。お金はあるのにセキュリティ意識が低い日本は、世界中から格好の標的として狙われている、それが今の現実です。
○サイバーセキュリティ対策は企業の社会的責任
森田氏: インターネットは世界中とつながるツールです。つまりWebを作って公開した時点で、世界中に向けて発信したことになり、同時に世界中から攻撃を受けることになります。となると当然、セキュリティは世界基準で考えなくてはなりません。そのための啓蒙活動がもっと必要なのかもしれません。
横田氏: 確かに、その辺りの意識は日本では低いようです。例えば、米国では多くの企業が有価証券報告書にサイバー攻撃に対するリスク開示の項目があります。残念ながら、日本ではそこまでやっている企業はほとんどありません。ですが、2014年にはサイバーセキュリティ基本法が成立するなど、徐々にではありますが日本国内でも意識は高まってきているようです。