2015年1月19日 07:30
ゼロから始めるOpenStack (3) OpenStackを使用する際の注意点
こうした状況から、アップグレードに関するナレッジがまだ蓄積されていない。
加えて、OpenStackがアップグレードが想定されたソ:フトウェアではなかったという事情もある。この点はコミュニティでも大きな問題としてとらえられており、徐々にではあるが対応が進んでいる。特に中核プロジェクトであるNovaは先進的な取り組みを行っており、異なるバージョンのNovaのプロセスが混在することも可能となっている。さらに、Novaではデータベースのスキーマアップデートでのダウンタイムを極力小さくする取り組みも行われている。
○ドキュメントの不足
OpenStackは、仕様書がしっかり書かれている部分とまったく記述されていない部分がある。仕様書が不十分な部分について知りたい場合は、OpenStackのコードそのものを読まなければならない。この作業を行う際は、Pythonを理解しているIT担当者やベンダーのコンサルティングサービスの手を借りることになる。
ただし、最新バージョンの「Juno」からは、仕様書を先に書いてからコードを記述するように運用が変更されたため、ある程度の仕様書が整うようになった。
以上、OpenStackを利用するうえでのメリットと注意点について説明してきた。