2015年1月20日 10:00
コンピュータビジョンのセカイ - 今そこにあるミライ (84) 点群応用(建築編) - 3Dスキャンが活きる建築物の規模
○建築で対象となる3D点群の規模とその目的
建築分野ではこうした建築物の3D点群データ化において、「設計」「工事中(施工)」「完成後の保守(補修工事)」「リフォーム」などの各作業段階において、それぞれ個別のメリットが存在します。撮影対象の規模としては、大きく複雑な建築物(所謂ゼネコンが請け負うような、高層ビルやプラント、橋やトンネルなど)に対して、3D点群スキャンの活用が行われることが多いです。
その理由ですが、高精度で広範囲を3DスキャンできるLIDAR式スキャナーは、ゼネコンや重工業会社に土木系の測量会社など、この目的に沿った大企業でないとすぐには購入できないような高額な製品であることが普通だからです。そもそも、高精度な計測器とは、使用する人も少ないので、高額であるのが普通ですが(ちなみに筆者の前職の東陽テクニカは計測器の会社でした)。
また、広範囲の3Dスキャンが活きるのは大きく複雑な建築物です。複雑な建築物ほど、設計通りのものを現場で作れているかを施工中になるべく小さなコストで確認していきたいので、3D点群データ取得して、デジタルに自動化していくことや、建築中の各途中段階で(例えば鉄骨のみの状態で)