2015年1月23日 10:32
ファルコン9を迎え撃て! - 欧州の次世代ロケット「アリアン6」 (1) アリアドネーの糸が導いたフランスのロケット開発
からすらも距離を置くという徹底ぶりだった。
そして、それは宇宙開発も例外ではなかった。「米ソが核兵器を持った、ならばフランスも持つ」ということは、「米ソがロケットを造った、ならばフランスもだ」ということに他ならなかった。
フランスは第2次大戦後すぐにロケットの研究を始めており、米ソと同様にドイツのV-2ミサイルの分析や、ドイツ人技術者を交えて発展型のV-2を開発する検討も行った。だが、米ソとやや異なるのは、早々に硝酸とケロシン、あるいは四酸化二窒素と非対称ジメチルヒドラジンといった推進剤を使うロケットの開発に挑んだ点だ。これらの組み合わせは常温で保存ができるため、極低温の液体酸素を使うV-2よりも、ミサイルに向いているという特長がある。まずは小型の観測ロケットを開発して打ち上げを重ね、1957年から1958年にかけて実施された国際地球観測年プロジェクトにも参加し、観測機器の打ち上げを行っている。
その最中の1957年10月4日、ソ連は人工衛星スプートニクの打ち上げに成功する。
続いて1958年1月31日には、米国も人工衛星エクスプローラー1の打ち上げに成功する。フランスにとっては「米ソが人工衛星を打ち上げた、ならばフランスもだ」