2015年1月23日 10:32
ファルコン9を迎え撃て! - 欧州の次世代ロケット「アリアン6」 (1) アリアドネーの糸が導いたフランスのロケット開発
と呼ばれるロケットの開発における手痛い失敗があった。
○ド・ゴール主義と宇宙開発
1945年に第2次世界大戦が終わった後、米国とソヴィエト連邦は覇権を競って対立を始め、それ以外の国々は米ソどちらの側に付くかを迫られ、世界は大きく2つに分けられた。冷戦の始まりだ。
第2次世界大戦においてフランスは、ナチス・ドイツに1度はその国土を奪われながらも、最終的には取り返し、戦勝国となった。戦後は英国と同様、多くの植民地が独立を始めたことで、かつてほどの威信は失われたが、冷戦によって欧州大陸が真っ2つに引き裂かれていく中で、大きな存在感を示し始めた。フランスは、基本的には米国側に付きつつも、米国とも、もちろんソ連とも距離を置いた第三極としての地位を目指し、政治、経済はもちろん、軍事や科学・技術の面でも、独自の路線を歩むことになったのだ。
ナチス・ドイツとの戦争中は亡命政府を率い、戦後は首相、大統領としてフランスを立て直したことで知られるシャルル・ド・ゴールの名を取り、ド・ゴール主義と呼ばれるこうした方針は、例えば核兵器を独自に開発したり、核ミサイルも独自に配備したりし、さらにはフランス自身が設立に関与した北大西洋条約機構(NATO)