百年残る建築は"ザハ"、千年残るのは…? - 建築家・プロダクトデザイナーの板坂諭氏が考える「残るデザイン」
その時に「残ること」の大切さを感じるとともに「建築ならそれを実現できる」と感じたという。続いて、「進化」と「残る」とではどちらが大切かというテーマでは、「コレクションは残るものとして好きだが、進化して残る方が好き」だとし、「建築は進化するもので、完成したら終わりというものではなく、夏は鉄が延びるし冬はガラスが割れたりするように、建築も"新陳代謝"させていくことが必要だ」と述べた。
また、これまで手がけてきたプロダクトに関しては、「使ってくれる人とコミュニケーションをするために作っている」とし、それぞれの作品にメッセージが込められていることを明かした。鳥越氏は板坂氏が手がけた「マッシュルームランプ」について、「この作品が作られたのは震災前であり、民衆の意識の中に原発というものが今ほどなかった時期でありながらも、板坂さんはそこに意識を向けた」と説明。さらに、「ブランドは、精神が込められているとその価値があがる」と述べ、「デザインには精神を注入するのが重要で、形状や生産性ばかりを主目的にすると間違った方向に進んでしまう。建築であろうと机であろうと椅子であろうと"精神を注入する"ことが必要だ」