巨人Intelに挑め! - 1GHzを突破せよ (2) 「どうしてお前の発想はそう日本的なんだ?!」
その間独占体制を整えつつあったIntelは80286の次は80386、そしてその後継の80486を開発するなど、矢継ぎ早に性能を向上していった。
その中で、当時AMDには以前からIntelとの協業時代からx86互換プロセッサに従事してきたエンジニアたち、Am386のリバースエンジニアリング(後で説明いたします)をリードしたBen Oliver、スーパースケーラー技術の大家Mike Johnsonらに加え、もとDEC(Digital Equipment Corp.)で業界初の64ビットチップAlphaの開発をリードしたDirk Meyer(後にAMDのCEOとなる)ら錚々たるメンバーが揃っていた。そこに、Fred Weber(NexGenの買収により合流)など、互換チップ開発の戦いに敗れ去ったチップメーカーからのエンジニアたちが続々とAMDに集結していた。皆、Intel打倒に燃える血気盛んな若いエンジニアたちであった。
こうしたエンジニアたちが長年の夢をかなえるべくAMDに集結したのは当然のことであったろう。というのも、AMDは既に8年にわたるIntelとのIPに関する調停、法廷闘争の末に、少なくとも特許問題についてはIntelと和解が成立していた。