くらし情報『兼業まんがクリエイター・カレー沢薫の日常と退廃 (2) 確定申告、その経費と内訳~カレー沢薫の場合~』

兼業まんがクリエイター・カレー沢薫の日常と退廃 (2) 確定申告、その経費と内訳~カレー沢薫の場合~

漫画家にとっての売り上げとは、原稿料、単行本の印税のことであり、ここ数年では電子書籍の売り上げの一部ももらえるようになった。(非常に限られているため)売り上げについてはそんなに迷うことはない。では経費はどうだろうか。

漫画家の経費と言えば、ペン、インク、スクリーントーンなどを想像されるかもしれないが、私は前回のコラムで書いた通り、すべての作業を「ComicStudioEX 4.0」という漫画製作ソフトで行っている。それと、私ほどの大作家になると、カラーページがもらえるのは1年に1度あるかないかであるが、いつ依頼が来ても良いように、カラー対応の「CLIP STUDIO PAINT EX」というソフトも導入している。これらのソフトは両方とも月額500円。つまり、固定費としてかかる作画経費は年間1万2,000円ということになる。いくら安い漫画しか描いていないとはいえ安すぎる。
節税どころの話ではない。なので作画経費のほかにも経費を計上していく。

まず、私は自宅を仕事場にしているため、水道光熱費の一部を経費とする、また電話代、ネットのプロバイダー料金なども編集者とのやりとりに必要なので一部計上する。

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