兼業まんがクリエイター・カレー沢薫の日常と退廃 (2) 確定申告、その経費と内訳~カレー沢薫の場合~
いくら作画ソフトのおかげで作画時間が短縮されたとは言え、週刊雑誌でストーリー漫画を一人で連載するのはほぼ無理であり、多くの作家がアシスタントを雇っている。昔は原稿料がアシスタント代で消え、単行本が売れなければ餓死とさえ言われていた。自分などは人件費がないので原稿料がマイナスになることはないが、売れずに終わって、次の仕事がなければ緩やかに餓死である。餓死しかねえのかよ、と思われたかもしれないが、漫画家に限らずどの職業も失敗すれば同じことなので、漫画家を志す皆様は臆せず挑んでほしい。
ちなみに私は今までアシスタントを雇ったことがない、むしろあると言ったらふざけるなと殴られるレベルの絵であるため、今後しばらく雇う予定はない。しかしこの季節、経費の少なさに頭を抱えるのも事実なので、人件費計上のためアシスタントを雇ってみようかと思うことはある。
何も作画の手伝いだけがアシストではない。メンタルが弱い作家にペンを握らせるために、至近距離で24時間作家をほめたたえ続ける仕事、というのも立派なアシスタントである。
ただ非常にハードな仕事のため、日給10万ぐらいでないと、なり手がいない気がするので、結局得にはならないだろう。