今、アジアの「医療」が熱い! キーワードは"ジェネリック""医療ツーリズム"
アジアは21世紀に入り、新興市場のなかでも、成長が著しいのはみなさんご存じのとおり。ただ、ここ数年は、中国市場の成長鈍化もあり、一時の勢いが見られなかった。
そうした中でも、アジアのヘルスケア市場はここ15年右肩上がりの成長を続けている。アジアの医療費(対GDP比)は、先進国と比べて低い水準にあるものの、年々増加の一途をたどっており、2000年から2012年にかけて約6倍に増えている。経済基盤が強まるにつれ、今度は国民の生活水準の向上部分に目が向けられるため、ヘルスケア分野の成長は今後とも期待できるものと思われる。
○医療費の「安さ」を武器に、"医療ツーリズム"が急成長
アジアのヘルスケア市場の成長については、市場の需要が高まっている以外に、実はもう一つの成長理由がある。
アジアでは、医療ツーリズム(メディカル・ツーリズム)が急成長を遂げているのだ。医療ツーリズムとは、診断・治療などの医療サービスを受けることを目的とした旅行のこと。
日本に住んでいると、公的医療保険が充実しており、自己負担が誰でも3割のため、海外へ治療に行くニーズがあまりイメージできない。しかし、米国や欧州、中近東などの国々では、必ずしも、誰もが3割負担で医療を受けられる国ばかりではない。