今、アジアの「医療」が熱い! キーワードは"ジェネリック""医療ツーリズム"
そのうえ、先進国はそもそも医療費が高いこともある。下グラフでもわかるように、たとえば、米国では人口股関節置換手術が5万米ドル(約500万円)するところ、韓国なら約1万4000米ドルと価格が約5分の1、タイなら1万米ドルを切る価格で手術を受けることができる。
そのため、アジアへの医療ツーリストの数は年々増えており、タイで250万人、シンガポール・インドで85万人、マレーシアで80万人弱を年間に受けて入れている。
○政府が後押しして医療機関の「JCI認証」取得を促進
日本人から見ると、海外での治療に不安はないのかと思う人もいるだろう。それについては、政府が医療を外貨獲得の戦略的なツールと位置付けて、外国人・富裕者向けの医療機関の建設を後押ししている。その象徴的な例が、病院側が推進している国際的な評価制度であるJCI認証の取得だ。この認証は、1000を超える審査項目をクリアしなければいけない厳しい基準のもの。JCI認証取得機関ということで、外国人が安心して受診に来れるのだ。
こうした医療機関を中心に、サービス面の充実も見逃せない。マレーシアにある病院経営の大手IHH下のマウトエリザベス病院では、ホテル並みの設備に加え、英語、中国語、アラビア語、ロシア語など10カ国語に対応できるという。