放医研、放射性セシウムを可視化する「特性X線カメラ」の開発に成功
これにより、放射性セシウムに高い感度を持つカメラの製作に成功したのである。
画像4が試作機で、サイズは225mm×175mm×242mm、本体重量は6.6kgだ。現在除染で使用されているガンマカメラよりも同程度以上に小型・軽量であり、後述のとおりバックグランドと同程度の空間線量率を与える線源であれば5秒前後で識別できる十分な感度を有する。
さらに、今回開発された試作機は高価な半導体素子が使用されておらず、入手が容易で比較的安価なシンチレータと「光電子増倍管」(物質に光が当たると電子を放出する「光電効果」を利用した光センサ)を用いることで低コスト化が図られており、販売価格は従来のガンマカメラやコンプトンカメラが1000~3000万円であるのに対し、500万円以下になると見込まれいる。
放射線管理区域内(空間線量率0.07μSv/h)において、試験用のCs-137の密封線源(1MBq)を特性X線カメラから約1.3mの距離に置いた場合、特性X線カメラがある位置ではサーベイメータで測定すると空間線量率が約0.05μSv/h増加し0.12μSv/hという測定値が出たことから、放射線管理区域内の空間線量率(0.07μSv/h)