生き物に学ぶ、オドロキの「性」と「サバイバル術」(後編)
ただし、物質の量にもよりますね。この化学物質はこの量以上なら悪影響を与えるが、この量以下なら使えますなど、実験方法とデータをつけておけば、例えばある製品を輸出するときにOECD加盟国では新たな試験をしなくても共有できるのです」(井口教授)
ミジンコが元気に泳ぎ、卵を産む水や田んぼは世界標準で安全、ということなのです。
○8.NASA宇宙センター隣のワニは健康か? ワニを釣って調査!
環境と生物の関係を長く研究されてきた井口教授。なんと、NASAから依頼を受けてロケット発射基地である、ケネディ宇宙センターに隣接する野生保護地域のワニの調査をしたことがあるといいます
「フロリダ大学の客員教授をやっていたとき、環境ホルモンの影響を調べるためにフロリダのワニ(アリゲーター)を捕って研究していました。その研究仲間から『NASAの研究もやってくれない?』と話がきたんです。10年ぐらい前ですね。」
筆者は打ち上げ取材でたびたびNASAケネディ宇宙センターを訪れ、確かに野生保護区が隣接し、ガイドツアーで大きなワニが横たわっているのを見てますが、あのワニ?
「実はロケット発射後に、野生保護区の水のpHを調べると酸性度が非常に強いことがわかり、PCBやダイオキシン、鉛の影響もあるのではないかと言われていました。