生き物に学ぶ、オドロキの「性」と「サバイバル術」(後編)
発射場で働く人たちは自分の身体への影響も心配だったんでしょうね。まず野生生物への影響を調べて欲しいと話が来ました。私も含めて研究者はみんな『面白い! やりましょう』と毎月、発射場のあるケープカナベラルに行って、ワニから血液を採っていました」
とても簡単に仰る井口先生だが、ワニは大きいもので4メートルもあるという。しかも保護区だから殺せない。いったいワニからどうやって血液を採るのですか?
「色々なやり方がありますが、昼間に行くときは釣ります(笑)。釣り竿で。」
ワニを釣る!?
「リールを使って針のところに三椏になったフックをつけます。そしてワニが浮かんでいるところの向こう側に投げて、ひっぱるとワニの皮膚に食い込みます。それを船に寄せます。
気を付けないといけないのはワニの口です。噛む力は何百Kgもあります。でも開ける力は弱いんです。そこで結束バンドの大きなものを用意してワニの口からかけて締める。口をあけられなくなれば、安全です。目を覆えば暴れないのでテープをはって、3人ぐらいで引っ張り上げます。200~300kgぐらいかな。数をこなせば慣れますよ(笑)」
なんと、井口教授は「ワニ釣り」