生き物に学ぶ、オドロキの「性」と「サバイバル術」(後編)
とげの本数が多いほど飲み込まれにくくなることが実験からわかったそうです。
天敵のにおいとはどんな匂いなのか気になるところですが、宮川さんによると、「特定の構造をもつ化学物質だとわかったものの、どんな匂いかは正確にはまだわかりません」とのこと。どうやってとげが作られるのか、そのメカニズムを解明しようとしています。
○7. ミジンコが教えてくれる水、化学物質の安全性
ミジンコは、私たちの安全を守ってくれる、大切な存在でもあります。水の安全性や化学物質の安全性試験にミジンコは世界的に活躍しているのです。
具体的な方法はこうです。産まれたばかりのミジンコを化学物質を入れた50ccのビーカーに1匹入れて3週間育てます。何匹子どもを産んだか数を数え、その数によって化学物質の安全性評価に用いるのです。
極めてアナログな方法ですが、実は「OECD(経済協力開発機構)」が定めた世界ルールです。日本もOECDのルールに従ってミジンコを使った実験が行われています。
「水の安全性を守るためには一番簡便な方法です。ミジンコがいくつ卵を産むか。たとえば、ミジンコが3日間で泳がなくなり死んでしまえば毒性が非常に強いと言えます。