愛あるセレクトをしたいママのみかた

足元で変化がみられる日本の経常収支

マイナビニュース
足元で変化がみられる日本の経常収支
常に変化する世界の経済環境の中で、国の対外的なお金の流れを記録する国際収支統計。国際収支とは何か、その中でも注目度が高い経常収支の流れに触れながら、足元の動きを調べてみました。

○国際収支

国際収支とは、一定期間(通常は1年間)に一国が行なった外国とのモノやサービス、資金の流れといった経済取引を集計したものです。国際収支は、大きく経常収支と金融収支のほか、資本移転等収支や誤差脱漏で構成されています。

経常収支は、対外的なモノやサービスなどの取引をまとめたもので、貿易・サービス収支、各種所得収支で構成されています。

一方、金融収支は、国内居住者と非居住者の間で行なった金融取引をまとめたもので、親会社と海外子会社間で資金をやり取りする直接投資、配当や利子の獲得のために外国の有価証券を取得する証券投資などの金融取引と、外貨準備高などで構成されています。

このように、対外的経済取引が記録されている国際収支統計は、日本経済の変化が読み取れる経済統計の一つとして注目されます。中でも、経常収支には企業のモノ・サービスなどの具体的な国際取引が表れているため、注目されています。


ステップアップ
2014年1月より、金融経済情勢をより的確に反映するため、国際収支統計の計算方法が見直され、従来の計算項目名や計算式が変更されました。

○経常収支

モノやサービスなどの取引をまとめた経常収支には、3つの要素があります。

(1)貿易・サービス収支

貿易収支(モノの輸出入)
サービス収支(訪日外国人客・日本人海外旅行者の宿泊費などの受取り・支払い、旅客運賃や国際貨物の受取り・支払いなど)

(2)第一次所得収支

債券や株式などの利子・配当金などの受取り・支払い

(3)第二次所得収支

新興国への経済援助など対価を伴わない資産の提供に係る受取り・支払い

経常黒字とは、日本が海外から受け取った金額が、日本が海外へ支払った金額を上回った状態のことで、経常赤字とは、逆の状態です。

過去の日本の経常収支の状況を振り返ると、1970年代に石油価格の高騰によって貿易収支が赤字になったことをうけ、経常収支が大きく落ち込みましたが、1980年代からは、世界的な景気拡大を背景に貿易収支が黒字転換したことから、経常黒字が拡大しました。しかし、2011年に燃料輸入の拡大などを受け貿易収支が赤字転換して以降、経常黒字の減少が続いています。一方、利子・配当金などの受取り・支払いを示す第一次所得収支は黒字が続いており、経常黒字に貢献しています。

なお、足元では、原油価格の下落を受けて燃料などの輸入金額が低下したことに加え、米国の景気回復を受けた需要増加や円安によって強まった価格競争力を背景に自動車などでは輸出の回復がみられることから、引き続き貿易赤字ではあるものの、前年同月比では貿易赤字の縮小がみられます。一方、サービス収支のなかの旅行に関する収支では、訪日外国人客の増加を受けて赤字縮小がみられ、2014年以降黒字となる月が散見され、関連産業などへの波及効果など、経済の活性化が期待されます。


このように、経常収支の内訳をみると、日本経済の特徴や変化をみることができます。

ステップアップ
経常収支は、国の資金の蓄えを表しており、一概に経常黒字が良い、経常赤字が悪いと言えません。各国の経済発展度や経済構造によって、経常収支の傾向は変わってきます。

(2015年3月18日 日興アセットマネジメント作成)

●日興アセットマネジメントが提供する、投資信託・投資・経済の専門用語をテーマで学べる「語句よみ」からの転載です。→「語句よみ」

※1 当資料は、日興アセットマネジメントが経済一般・関連用語についてお伝えすることなどを目的として作成した資料であり、特定ファンドの勧誘資料ではありません。また、当資料に掲載する内容は、弊社ファンドの運用に何等影響を与えるものではありません。なお、掲載されている見解は当資料作成時点のものであり、将来の市場環境の変動等を保証するものではありません。

※2 投資信託は、値動きのある資産(外貨建資産には為替変動リスクもあります。
)を投資対象としているため、基準価額は変動します。したがって、元金を割り込むことがあります。投資信託の申込み・保有・換金時には、費用をご負担いただく場合があります。詳しくは、投資信託説明書(交付目論見書)をご覧ください。

提供元の記事

提供:

マイナビニュース

この記事のキーワード