人の印象は「敬語」で9割決まる? - 『出口汪の「好かれる!」敬語術』
友達付き合いであれば時間をかけて少しずつ相手のことを理解するということだってありえるだろうが、ビジネスの場合はそこまで時間をかけることは普通はない。敬語がきちんと使えていればそれだけで「しっかりしてそうだ」という印象を与えることになるし、一方でぞんざいな言葉遣いをすれば「この人は信頼できそうにない」と思われてしまう。たかが敬語、されど敬語である。
○普通の敬語の本は眠くなる?
もちろん、本書以外にも敬語について書かれた本は山ほど出版されている。どの本も、基本的には書いてある内容に大きな差があるわけではない。それならどんな本を読んでも同じかというと、必ずしもそうとは言えない。扱う対象が敬語であるためか、敬語について書かれた本はマジメすぎる場合が多いように僕には思える。どんなに内容がよかったとしても、途中で眠くなって挫折してしまうのだとしたらそれはあまりよい本だとは言えない。
優れた敬語本は、内容として正しいものが載っているというだけでなく、気軽に読めてそれでいてアタマに残りやすいものである必要がある。
そういう視点で本書を見てみると、まず第一に本書はかなり読みやすい。敬語の本の場合、表現をカテゴリ分類し、それらを羅列して見やすく整理しただけのものが結構多いが、本書はそのような形式はとっていない。