兼業まんがクリエイター・カレー沢薫の日常と退廃 (4) カレー沢流・漫画制作におけるライフハック
デビュー当時は本当にこれで何とかなったのだが、最近はそうもいかなくなった、キャラクターが今どこにいるのかぐらいはわかるようにしろ、と言われるようになってしまったのだ。
しかしいきなり画力が上がるわけでも、作画人員を増やせるわけでもない、そこで私が新たに投入したのが「ComicStudio」と同じくセルシス社製品の「3Dデータコレクション」と「POSEPOSE STUDIO」である。別にセルシスの回し者でもないし金をもらっているわけでもない。(くれてもいいが)
○デジタル社会の思わぬ落とし穴
「3Dデータコレクション」というのは、簡単に言うと「背景画像素材集」である。背景画像素材は昔からあったと思うが、こちらは全て3Dになっており、用途に合わせ、拡大縮小、角度まで変更できるので、自然に背景を漫画にマッチさせることができる。と言いたいが、3Dというのは存外操作が難しく、背景の上に不自然に人物が浮いているというクソコラ状態になることもままあるものの、とにかくキャラがどこにいるかさえわかればOKだ。しかし、自分が欲しい背景が必ずしもあるとは限らない、キャラが小洒落たレストランで食事しているシーンにしたくとも、素材がファミレスしかないため、いい年の男女がいつもファミレスで飯を食っているという、しょっぱい漫画になってしまうこともある。