「方言女子」の中でも特に京都が人気なのはなぜ? - 心理学者に聞いた
評価のうえでは、理想的な言葉といえるでしょう。
京都は、かつては都で(京都人にいわせれば、今でも都なのですが)、天皇を中心として貴族が住んでいました。穏やかで優しい、雅な生活を守るために、人と争うことを避けようとすれば、結果、柔らかな物腰の口調、独特の婉曲された表現を生みだされます。京都の言葉には、都であった頃からの人との争いを避けようとする心が今も生きていて、そしてそれを私たちも魅力的に捉え、今なおどこかに都への憧れを感じているのかもしれません。
○人間が好む「母音の長音化」の特徴が顕著だからという側面も
加えて言語的にいえば、人は時間的にやや長く発音される重音節を好む傾向があるとされています。例えば、火曜日の火。月火水(ge.tsu、ka、sui)と言うときに、「ka」が「ka:」と伸びますよね。難しくいえば、母音が長音化するわけですが、これは関西地方の方言でより顕著にあらわれるとされています(廣田康子『中越方言の音韻分析』東京女子大学言語文化研究)。
そして、京都の言葉には長音化するものがたくさんあります。このあたりも、京音の言葉が男性から支持される理由の一つと言えるでしょう。