山田祥平のニュース羅針盤 (47) YouTube Space、東映太秦と組んで何をねらう?
、町屋、殿様というシュチュエーションに変化、6畳の和室がふたつだけという小規模なものながら、建具や小道具でセット自体を替えることでバリエーションを確保する。
つまり、限られたステージセットでいくつものシーンが作れるというわけで、それが長年培われてきた東映のノウハウでもある。
さらに、照明によって朝、昼、夕方、夜を演出でき、4セット×4シチュエーション×4時刻で、64通りのバリエーションが表現できる。ネックは、六本木ヒルズという普通のオフィスビルの中に設けられていることから一般的なスタジオに比べて天井が低いことだという。
このスタジオを使えるのは選ばれたクリエーターのみとなるが、それだけで500万人の登録チャンネルユーザーにリーチできるということだ。
TVはマスメディアとしてその頂点に君臨している。平均視聴時間は減る一方であるとしても、今なおその影響力は絶大だ。だが、YouTubeのようなサービスによるコンテンツが質、量ともに充実していくことで、そのピラミッドは少しずつイビツなものになりつつあるのではないか。
YouTube Spaceが狙っているのはそこだ。だからこそ、巨額の投資で設備を作りそれを無償で提供してまで人材を育て、魅力のあるコンテンツを提供できるように仕向けている。