屋内でも位置を測位して経路案内、渋谷駅の実証実験は何が変わったか
歩行者がどの方向にどういう運動を行っているかがわかるため、ビーコンによるおおまかな位置情報とあわせることで、動きがわかるという仕組みだ。
実際に試したところ、もちろん多少のズレはあるものの、概ねルートを外れることなくナビゲーションが完了した。もちろん、渋谷駅を幾度となく利用しているため、初めて利用するような観光客と感じ方が異なる可能性があることは否定できないが……。
Bluetoothのビーコンは非常に小さい端末だが、設置できる場所が、意外にも複雑に事業者が入り組んでいる都市駅では問題になりうる。そういったところも、この渋谷駅における実証実験の狙いの一つだ。
「事業者さんやお店によっては、『ビーコンが落ちてお客様に迷惑がかかる』と設置できない場所も存在します。そういった調整や統一ルールの策定も、今後国が共通の指針として出すべきかどうかなどの糧になる」(協議会関係者)
ただ、観光立国として訪日外国人2000万人を目指す中で、観光客の足回り役となる鉄道事業者たちも、「どのようにわかりやすく道案内ができるのか」を真剣に考えている。そこで重要になるものが「地図」だ。
「昨年はネットの地図を利用していましたが、今年は渋谷駅周辺の事業者さんから地図をいただいています。