屋内でも位置を測位して経路案内、渋谷駅の実証実験は何が変わったか
少し前に、Webサービスから駅構内図が流出したという話がありましたが、ネットで公開されている地図だけでは足りない情報も多い。正確な位置を指し示すには、事業者さんから地図をもらえることが大きいのです」(協議会関係者)
協議会では、各事業者から得た地図を三次元データ化して位置情報をすり合わせた。単純に地図というと、二次元情報でいいと思われるかもしれないが、エスカレーターやエレベーターという人が縦軸や斜めに移動する可能性があり、ビーコンで位置情報を特定するには三次元データが重要な要素となるのだ。
また、駅構内の詳細地図は、三次元データの作成だけではなく、もうひとつのメリットもある。お年寄りや車いす、ベビーカーなど、通常のルートでは通ることの出来ない可能性がある人々へのルート情報の提供だ。これは、公共機関ならではの配慮といえよう。
この2年の実証実験で、今後どのような成果に繋がっていくのだろうか。
「技術レベルで言えば、実用レベルまで近づいている。
ただ、地図を寄せて使うとなると、その費用は誰が負担し、誰が管轄するのかが問題になる。もちろん、ビジネスにして、地域にどれだけ人を呼べるのかという課題もある。