くらし情報『水星の謎に挑む探査機「MMO」 - 灼熱の世界でも生き延びる仕組みとは?』

2015年4月20日 15:31

水星の謎に挑む探査機「MMO」 - 灼熱の世界でも生き延びる仕組みとは?

この熱が探査機内部に伝わるのを避けるため、じつはこの裏側は空っぽ。探査機の"中身"が入っているのは、じつは下半分のみなのだ。厚さ30cmの円盤内に機器を詰め込んだわけで、かなり高密度な実装だと言えるだろう。

そして太陽電池の裏側の面にはOSRが貼られており、吸収した熱を宇宙空間に放出する。それでも、太陽電池の表面温度は230℃になってしまうそうだ。

MMOで最も高熱になる場所はハイゲインアンテナ(HGA)である。探査機本体はスピンしているため、日向と日陰の繰り返しで熱的にある程度マイルドになるのだが、HGAは通信のため、常に地球に向ける必要がある。そのため、逆回転するモーターでスピンが止められており、アンテナの温度は最高400℃にもなると予想されている。
これほどの温度になると、アルミでは強度が維持できない。そこで、アンテナの裏面には、チタンの薄板とセラミック繊維のメッシュで作られた特殊な多層断熱材を採用した。なおHGAは白色に塗装されているが、これも熱の吸収を抑えるための工夫だ。

そのほか、OSRが使えないような場所にはMLIも採用されているが、色は金色ではなくグレーだ。これは、観測上の要求により、探査機表面に絶縁物を出せないためで、MLIの最外層には導電性のあるゲルマニウム蒸着ポリイミドフィルムが使われている。

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