航空機とIT (45) 訓練とIT(3)その他のシミュレータ
たとえば早期警戒機に搭乗する要撃管制官を養成するのであれば、実機で使用しているものと同じコンソールを設置して、その画面では本物と同様に、探知を示すブリップを表示させる。そして、訓練生が行う操作や指令、あるいは教官が設定するさまざまな「状況」に従って、画面の内容を本物と同様にして変化させていけばいい。その部分は、レーダーの代わりにコンピュータででっち上げる。
もちろん、本物に関するデータを蓄積しておかなければ忠実な再現はできないが、コンピュータが実現している機能を再現するのであれば、ソフトウェアで完結する話だから、物理的なものを再現するよりは難易度は低そうだ。
こういった、一部分の機能を切り出して特化させた訓練機材のことを、PTT(Part Task Trainer)と呼ぶこともある。
○コンピュータによる学習
操縦でもそれ以外の分野でも、まず座学で基本的な知識を身につけさせた上で、現物やシミュレータを使った実地の訓練に進むことが多い。その座学についても、口頭と黒板と紙のテキストを使う方法から、コンピュータを活用する方法に変化してきている。いわゆるCBT(Computer Based Training)