軍事とIT (89) 艦艇のシステム化(4)ズムウォルト級とTSCE-I
社製で、機種はPPC7A・PPC7D・PMCD3の3種類がある。
なにしろ軍艦に搭載するシステムだから、振動・電磁波干渉・衝撃への対策が必要になる。そこで、一枚の基盤にまとめたシングルボード・コンピュータをEME(Electronic Modular Enclosures)というエンクロージャに格納する形で搭載している。EMEは全長35フィート(約10.7メートル)・全幅12フィート(約3.7メートル)・全高8フィート(約2.4メートル)というサイズで、1隻につき235基のラックを設ける(EMEの数でいうと16基)。
オペレーティング・システムはリアルタイム版のLinuxで、LynuxWorks社製のLynxOSを使用している。リアルタイム版OSを使用するのは、特に武器管制の分野を考慮したためだろう。意図した通りに交戦できるようにするには、意図したタイミング通りに武器が作動してくれないと困る。たとえばの話、要撃のタイミングを考慮して艦対空ミサイルをいつ発射するかを決めても、その通りにミサイルを撃てなかったら要撃交戦そのものが台無しになる。
そのTSCE-Iの神経線となる艦内ネットワークは、ギガビット・イーサネットを使用する。