音楽の"共通言語"「楽譜」ってデジタル上でどうやって作っているの?
は、“楽譜浄書”のプロ用ツールとして、1989年に生まれたソフト。ピアノからパーカッション、オーケストラ用や和楽器、現代音楽まであらゆる音楽の楽譜の作成に対応している。“楽譜浄書”というのは、手書きされた楽譜を出版物用に読みやすく、美しく仕上げる清書の作業のことで、楽譜のタイポグラフィのようなもの。15年ほど前までは専門の職人さんが手作業で一つひとつ仕上げていく労力の要る作業だったという。
「まずは五線を書くところからスタートして、音符の丸の部分(符頭)は一つひとつスタンプを押していき、棒の部分(符幹)は定規で書き足していきます。ト音記号などの記号はすべてレタリングで、1ページをつくるのに職人さんが丸1日かかるみたいな世界でした」と関口氏。しかし、その後にパソコンが普及したことにより、楽譜の世界もデジタル出版化が望まれるようになり、登場したソフトのひとつが「Finale」だ。とはいえ、完全にデジタル化されるようになったのは、1997~1998年ごろ。
それまでは音符とおおよそのレイアウトをコンピューター上で行い、連音符の斜め線などは印刷をするとジャギー(ギザギザな線)が出てしまうこともあり、手書きと併用していた時代もあったそうだ。