音楽の"共通言語"「楽譜」ってデジタル上でどうやって作っているの?
ちなみに、関口氏によると今でも楽譜浄書の職人さんは存在しているとのこと。「職人さんが手書きした楽譜のほうが味わいがあるので、今でもそちらを好む人もいます。特に、初期の頃はコンピューターで書いた譜面に抵抗感のある人も多かったですよ。コンピューター浄書の機械もプリンターも当時はまだ高価でしたしね。どれもが次第に安価になっていき、浸透していきました」と振り返る。
「Finale」による実際の楽譜浄書の作業工程は、まずは五線譜に音符を入力するところから始まる。そして、その方法は複数選択できるとのことだ。
「一番シンプルなのはマウスで1音ずつ入力していく方法。
そのほかにも、MIDIキーボードをパソコンにつないで、弾いた音をそのまま読み取り楽譜化することも可能です。あとは、出来上がった紙の楽譜をスキャンして読み取って入力することもできます。シーケンスソフトで作曲したMIDIデータを出力して、Finaleで楽譜化するといったやり方もありますね」と関口氏。
○音楽業界に楽譜ソフトがもたらした"モノ"
楽譜を1枚作成するのにかかる時間は、もちろん楽曲の複雑さや種類によりさまざまだが、手書きにかかる時間に比べれば何倍もの速さだ。