キャリアななめ斬り! (58) 社会人としてのアガリのポジション
こうした企業では年功序列型の組織体型ではないことが多い。若くして重要なポジションに就き高水準の給与を得ても、以降の雇用が安定しているとは限らない。ポジションや待遇がいつまでも上がり続けることは稀である。
すると、どこかのタイミングで自分なりに社会人としての「アガリ」を見つけなければならない日がくる。仮に65歳よりも早く55歳で「アガリ」のポジションが自分なりに見えたとする。しかし、以降80歳までは25年。90歳までは35年間もある。まだまだ「アガリ」と呼ぶにはあまりにも早すぎる。
こう考えると、従来のように学生から社会人になる歳を起点として一直線に社会人として成長し「アガリ」のポジションに向かっていくという発想自体を考え直した方がよい。連続的なキャリアを積んでいくよりも、あえて「非連続的」な経験を踏んでいく方が長い人生には向いている。
例えば……社会人としての最初の20年間は日本で経験を積む。次の20年は海外で働く。その後の20年は再び日本で生活を送り80歳を迎える。あるいは、20年間は良き組織人として。その後の10年は起業家として。以降の10年は良き投資家として生き、最後の20年は慈善活動を行う。