2015年7月1日は8時59分60秒が発生 - 3年ぶり26回目となる「うるう秒」の挿入はなぜ実施されるのか?
世界の標準時は世界中にある400台を超す原子時計の加重平均値をもとにして決定(協定世界時:UTC)されているが、これは計算を行う必要があるため、リアルタイムでは算出されていない。では、実際にリアルタイムで用いられる各国の標準時間はどうやって処理しているのかというと、UTCと同期した時計標準機関(日本の場合は小金井のNICT本部が保有)の原子時計が決定している。
今回されるうるう秒の挿入は、1972年に同制度が開始されて以降、3年ぶり26回目の実施となる。7月1日に実施されるのは、うるう秒の調整方法などを定義している「ITU-R(国際電気通信連合 無線通信部門)」が実施の日付を1月1日(世界時としては12月末日)もしくは7月1日(同6月末日)を第1優先日としているためだ。
NICTの電磁波計測研究所 所長である山中幸雄氏は、「近年のIT機器の増加や、社会情勢の変化などに伴い、時間に関するニーズが高まっている。特にネットワークの発達によるタイプスタンプや金融といった情報通信サービスでの比重が高まっているが、そうしたサービスの背後で動くハードウェア/ソフトウェアがうるう秒に対応しておらず、思わぬ問題を引き起こす可能性も指摘されている。