くらし情報『世界遺産の勧告を受けた「明治日本の産業革命遺産」の魅力・価値とは?』

2015年5月18日 06:30

世界遺産の勧告を受けた「明治日本の産業革命遺産」の魅力・価値とは?

共通した価値をもっていれば、必ずしも地理的に隣り合っていなくても世界遺産になるケースがあるのですが、登録されれば日本では初のケースとなります。これを専門用語で『シリアル・ノミネーション』と呼んでいます」。

―そのほかの、これまでに登録されている日本の遺産と違うところとは何でしょう?

「日本で初めてのケースなのですが、構成資産の中に現役で稼働している工場が含まれている点です。北九州市の八幡製鐵所や三菱長崎造船所が該当します。稼働中ですから、管理する企業は大半の公開を制限しているわけです。

一方で世界遺産には、教育や広報の側面も求められます。自分たちの社会の中で生きている地域の資産として学び伝えることも大切な役割とされているのです。生産現場に見学者を入場させることは現実的に考えられないので、どこまで開放公開して遺産の価値を伝えていくか、ということに現在試行錯誤しているところですね」。


―稼働中ということは、保存の面でもいろいろ難しそうですね。

「その通りです。施設を使用していけば当然どんどん劣化していきます。そもそも、通常日本の文化遺産は文化財保護法で保護されることが求められるのですが、稼働中の施設はその法律の対象外となるのです。

関連記事
新着くらしまとめ
もっと見る
記事配信社一覧
facebook
Facebook
Instagram
Instagram
X
X
YouTube
YouTube
上へ戻る
エキサイトのおすすめサービス

Copyright © 1997-2024 Excite Japan Co., LTD. All Rights Reserved.