「自分の頭で考えろ!」と言われたときに - 『知的複眼思考法 誰でも持っている創造力のスイッチ』
にして思考停止状態に陥ることは避けられる。
このような批判的読書は、結果的に自分の意見を創造すること、つまり自分の頭で考えることにつながっていく。今まであまり批判的に本を読んだことがなかったという人は、ぜひ本書でこの「創造のための批判的読書法」を学んでみて欲しい。読書によって得られるものが格段に増えるようになるはずだ。
○インターネット時代だからこそ自分の頭で考える訓練を
本書の初版が発売されたのは1996年のことで、今から約20年前ということになる。20年前と比べると、現代はインターネットの発達によって手に入る情報の量が格段に多くなっている。とりあえずGoogleの検索窓に知りたいことを入力すれば、なんとなくそれらしい情報は手に入る。もっとも、受け取った情報をそのまま鵜呑みにすると痛い目にあう。
「自分の頭で考える」必要性は20年間でますます強くなってきている。
本書で紹介されている知的複眼思考法は、インターネット上の情報に接する際にも当然ながら役に立つ。身につけておけば、時代に左右されず一生使える思考法になるに違いない。
日野瑛太郎
ブロガー、ソフトウェアエンジニア。経営者と従業員の両方を経験したことで日本の労働の矛盾に気づき、「脱社畜ブログ」