事例で学ぶAndroid活用術 (11) スマートフォンを活用したSAP承認フローで業務効率化を実現
(安田氏)
部品メーカーから送られてきたフォーキャスト(製品のリードタイムを短縮するため、発注元が納品業者に先行して渡す所要計画情報あるいは購入予測情報)をもとに、予測をして業者へ製品発注を行うが、そこに多大な業務が発生しているという。
「フォーキャストの段階なので、仮の単価で発注して後で価格が変わるということはよくあります。2008年のJ-SOX法以降は先行発注の場合、販売先に対して責任を持っている者が必ず発注前に確認するというルールになり、担当営業の上長が承認しない案件は発注も入荷もできない仕組みになりました。ところが、上長も営業活動のため日中は社内にはおりませんので、承認業務は事務所に戻ってから対応するか、出先でノートPCを立ち上げて行う方法しかなく、非常に効率が悪い状態になっていました」(安田氏)
急ぎの承認案件は、内勤社員が承認者へ電話を入れて催促していたが、出先でノートPCから社内システムに接続するには、データカードをONにして、PCを立ち上げ、VPNで基幹システムに接続してようやく承認システムへのアクセスが可能になる。「修正の承認はさらに面倒なことに、紙面で押印が必要となり、その作業のため帰社を余儀なくされていました。