今さら聞けない「ロードバランサとSDNの切っても切れない関係」 (7) エキスパート対談:なぜ今ヴイエムウェアはネットワーキングに取組んでいるのか?
森田このような連携ソリューションを両社で開発・提供することによって、お客さまは独自の作り込みや検証をせずに済みます。また仮想マシン管理者とロードバランサの管理者がそれぞれの領域を守りつつも、インフラのプロビジョニングを簡略化できるという点においても、非常にリーズナブルなソリューションが提供できると考えています。
○目指す世界は「One Cloud, Any Application, Any Device」
──VMwareとF5の連携ソリューションは、今後どのような方向を目指していくのでしょうか?
秋山VMwareでは現在、「One Cloud, Any Application, Any Device」というビジョンを掲げています。ここで言う「One Cloud」とは、オンプレミス環境やパブリッククラウド環境、あるいはハイブリッドクラウド環境など、さまざまな環境をまたいで存在する複数のインフラを、あたかも単一のクラウド環境のように一元的に運用できるようにするということです。2015年3月にリリースされた「VMware vSphere 6」では、異なるvCenterの管理領域をまたいだ100ms以下の遅延環境でのロングディスタンスvMotionが可能になりましたが、これもデータセンターやクラウドの垣根を越えたライブマイグレーションによって、どんな環境にもアプリケーションを自在に移動させて稼働できる、つまり「One Cloud, Any Application」