2015年6月2日 15:51
MacBookの耐えられない薄さを精神的にレビューする
Appleの敷いた円環に乗っている限り、オフィスなのかリビングなのか電車の中なのかという利用環境によってデバイスを使い分けるにすぎない、シームレスな世界に生きることができるのだ。
……という感想を持つこと自体が、すでに旧世代の発想なのだろう。iPhoneで初めてデータやネットワークの世界に触れた人にとって、おそらくデバイスとは「そういうもの」であり、そうできないことのほうが「おかしい」はずだ。
SCSIに数々のストレージを連結し、USB2.0やFireWireなどといった規格に翻弄されてきた我々は、テクノロジーの進化によりそうした機器から解放されたつもりでいたが、実は本質的なところでデバイスという重力から抜け出せない宿命を背負っているのではないだろうか。新しいMacBookの身軽さときたら、そのマインドを否定するどころか、初めから存在しないものとして設計された、全く思想の異なるデバイスであるように見えるのだ。
ポートが電源/データ共有で一つしかない仕様も、iPhoneとの共生が前提なら何も不便はない。そもそも全部iCloudに入っているのだから、どんな外部装置とも有線でつなぐ必要がないのだ。