2015年6月25日 12:00
JAXA/ISASの「再使用観測ロケット」開発計画 - 航空機のように飛ばせるロケットを目指して
観測ロケットが再使用できるようになれば、実験装置を繰り返し使用できるため、今までより高価で精密な装置が積みやすくなり、試料を回収できることで地上の高性能な装置で分析ができるようにもなる。また、今まではロケット内の実験データを電波で地上に送ったりしていたが、機体内の記録装置に保存できるので、大容量のデータが得られるという。そして何より、機体を毎回造り直す必要がないため、高頻度の打ち上げができるようにもなる。
現在の検討では、再使用観測ロケットは全長13.5m、直径3.0m、打ち上げ時の質量は11.5tになるという。現在の使い捨て型の観測ロケットと比べると大きくなるが、これは地上に帰還するための推進剤を積む必要があることなどが関係している。ロケット・エンジンは底部に4基あり、そのうち1基が故障しても安全に帰還できるようにするとされる。
最大到達高度は100kmから150kmで、打ち上げ頻度は1日に2回以上を目指すとされ、同一の機体で、メンテナンスしつつ、100回以上の再使用を可能にしたいという。
開発費は70、80億円ぐらいが見込まれており、また打ち上げ1回あたりの運用費は数千万円ほどで、これは1機あたり数億円かかる現在の使い捨て型観測ロケットからすると約10分の1ほどになる。