2015年6月26日 16:02
祝儀袋のデザインとつかいかた (1) そもそも、「祝儀袋」とは?
――祝儀袋には「熨斗」がついていますが、これはどんな意味があるのですか?
まず、祝儀袋が一般的に熨斗(のし)袋とも言われます。そして熨斗は、本来「のしあわび」といいます。鮑(あわび)は現在も高級食材として扱われますが、古代から貴重な食物であり、その肉を薄くはぎ、引き延ばし干したものが「のしあわび」です。伊勢神宮などの祭祀に供えられたり、中世には武家の出陣や帰陣の祝儀、そのほか吉事の贈り物に添えられました。
熨斗をつけるのは、その贈り物がけがれていないしるしとされ、鮑の香気をもっていろいろなけがれや邪悪を防ぎ退けるという考えに基づくものと考えれています。また、一般には、大事な食料としての「のしあわび」を贈り物に添えることは「いざというときには、こののしあわびを食べて生き延びてください」という相手への切実な思いやりの意味が込められているも言われています。ちなみに、熨斗は、鳥、魚、鰹節など、魚介類を贈るときにはつけません。また、弔いごとでは、なまぐさは断ちますので熨斗はつけません。
――そのほか、祝儀袋を構成する素材やデザインについて、教えていただけますか?
熨斗のほか、伝統的な「贈答」