稲垣吾郎、死刑執行人の葛藤を熱演 舞台『サンソン』公開ゲネプロ
罪や身分によって決められた刑を執行し、処刑台の上に立って大剣を振り下ろす場面も。「死刑制度はなくさなければならない」と自問自答しつつ自らの職務をまっとうするサンソンを稲垣が熱演した。
開幕を前に、稲垣と白井氏がコメントを寄せた。
■稲垣吾郎
久しぶりの新作舞台になり、良い緊張感で稽古を続けることができました。フランス革命期に実在した死刑執行人“サンソン”は、僕がぜひ演じてみたいと思っていた人物でもあります。思い時代の中でも、社会を良くするために職務に忠実に生きた、サンソンという人物を精一杯演じたいと思います。
■白井晃
当初、このような時世の中で、これほどエネルギーを必要とする作品を作ることが本当にできるのか、大きな不安を持ちながら創作は始まりました。民主政治の源流となったフランス革命の熱と、その時期に実在したサンソンという死刑執行人の苦悩の物語を語るには、余りにも状況が不向きのような気がしたからです。
ムッシュー・ド・パリと呼ばれたひとりの男がたどった人生は、今の私たちからはおよそ想像できないほど過酷なものだったはずです。しかし、その人生に迫ろうとキャスト、スタッフが懸命にリハーサルを積み重ねるうちに、人が集まり創造するという演劇の持つエネルギーが、私たちをどんどん前へと引っ張ってくれ、不安は少しずつ消えていきました。