なぜPC事業は売却でテレビ事業は分社化? ソニーのテレビ事業分社化の背景を探る (1) 10年連続赤字か? いよいよ追い込まれたソニーのテレビ事業
平井社長は就任以来、エレクトロニクス事業の黒字化を必達目標に掲げてきた。だが、2013年度もそれは未達となる。その元凶となっているのは、やはりテレビ事業である。テレビ事業は、2013年度の赤字によって10年連続の赤字となり、その長いトンネルから抜け出せない状況にある。
「テレビ事業は数を追わず、収益構造の改革を優先する。テレビ事業の黒字化なしでは、ソニーの再生も、その後の成長もない」と平井社長は語っていたが、あと一歩がなしえない。
もちろん再生計画は着実に成果をみせつつある。2011年11月時点ではマイナス1,750億円、2011年度末時点(2012年3月)でもマイナス1,475億円あったテレビ事業の損失は、液晶パネル関連コストの削減、商品力強化とオペレーションの改善などにより、現時点でマイナス250億円まで追い込んだ。
○一定の成果をみせる収益改善策
ソニーの加藤優CFOは「2年でブレイクイーブンにするという計画は達成できていないが、赤字幅は6分の1に圧縮。一定の成果はあったと判断している」と語る。サムスンとの合弁である液晶パネル生産のS-LCDを解消し、テレビの製造拠点を相次いで閉鎖。