なぜPC事業は売却でテレビ事業は分社化? ソニーのテレビ事業分社化の背景を探る (1) 10年連続赤字か? いよいよ追い込まれたソニーのテレビ事業
製品ラインアップの絞り込みなどの荒療治にも取り組んできた。2009年11月に発表した中期計画においては、2012年度には年間4,000万台の事業計画も策定したが、2013年度見通しでは1,400万台と、そこからは約3分の1程度にまで大幅縮小している。
だが、「2013年度に250億円の赤字が残るのは、高付加価値商品の展開が遅れたことや、新興国の市況悪化によるもの」(加藤CFO)と説明。来年度の黒字化への足掛かりをつかんでいることを示す。
その状況下でのテレビ事業の分社化ということになる。平井社長は「分社化すると黒字になるというオートマティクなものではない」と前置きしながらも、「Xperiaで実績をあげているソニーモバイルコミュニケーションズ、プレイステーション事業を展開しているソニー・コンピュータエンタテインメントは、それぞれソニーの100%子会社としてビジネスを行っており、スピーディーな経営を実現している。これをテレビビジネスに持ち込むことになる」とする。
平井社長自身もソニー・コンピュータエンタテインメントの出身であり、分社化のメリットを良く知る人物だ。
「独自のマネジメントを行い、現場で判断することで、さらに経営スピードを加速できる。