2015年8月10日 11:57
米国でApple Payの利用率が減少中、その理由を考察する
という比率を押し下げる結果になってもおかしくなく、その意味では15.1%から13.1%への減少幅というのは比較的小規模に収まっているのではないかというのが筆者の感想だ。
もう1つのデータは、実際に利用経験があるにも関わらずApple Payそのものの利用率が減っているという現象だ。これは2つの側面があると考えられ、まず一度ないし何回か試したユーザーがすでに「飽きて」しまい、次から使わなくなってしまうことが理由の1つだと考えられる。本来であればタップ&ペイで気軽に決済が行えるはずなのに、むしろ元の支払いスタイルに戻ってしまっているということは、モバイル端末で支払うことにあまりメリットを見出せず、リピーターを掴んでいないことの証左だといえる。
●利用率減少の理由その2
○セキュリティに懸念
理由の2つめは「技術を信用していない」という部分で、PYMNTS.comのデータでも「セキュリティ上の懸念がある」との回答が15%から19%に増加しているほか、実際に使えない可能性があるとの理由で敬遠しているといった回答もみられる。本来、トークナイゼーション(Tokenization)に対応してEMVのチップ入りクレジットカードではない磁気ストライプ型のカードよりははるかに安全なApple Payであり、既存のクレジットカードインフラをそのまま利用して決済が可能な仕組みではあるが、利用方法の周知も含め、ユーザーへの教育が浸透していない結果なのだろう。