2015年8月10日 11:57
米国でApple Payの利用率が減少中、その理由を考察する
今回のPYMNTS.comの報告では、9 to 5 Macがきれいに要点をまとめているが、Apple Payが技術普及におけるかなり初期のステージに位置していることがよくわかる調査報告となった。非接触ターミナルを使ったモバイル決済において10年以上が経過している日本では「すでに通った道」という印象が強いが、「インフラ普及(端末普及も含む)」と「ユーザーへの教育」が浸透したうえで、かつ「継続利用するモチベーション」が重要な意味を持っており、Apple Payが広く認知されるにはまだ期間が必要だといえる。
例えばFeliCaの利用が急増したのは大型小売店舗での一斉導入がスタートした時期で、さらにポイントカード連動によるユーザーの囲い込み策が継続利用のモチベーションとなっている。交通系から小売店まで、都市部ではおサイフケータイのみでほぼ生活できる状況が整ったのは比較的最近の話だが、おそらくはApple Payについてもこのレベルの利便性が確保されない限り、利用率は今後も微減傾向が続くと考えられる。iOS 9ではPassbook改め「Wallet」が導入され、Apple Payとストアカードの連動が可能になったが、これはサービス普及のための大前提であり第一歩だといえる。