くらし情報『ヒトラーの人心掌握と演説術、『わが闘争』の誕生秘話 - 盛衰史を振り返る』

2015年8月14日 22:00

ヒトラーの人心掌握と演説術、『わが闘争』の誕生秘話 - 盛衰史を振り返る

と考えるようになった。その後、ヒトラーはドイツ軍に入隊。極めて優秀な兵士として兵長にまで昇進し、戦死者が多数出る中で生き延びた。戦闘員として戦った期間は短く、最前線で伝令兵として奮闘。鉛の雨をかいくぐる危険な任務だが、戦闘兵より楽だと見られることが多く、統率力も欠けていたことから士官にはなれなかった。仲間からの人望は薄く、「変わり者」と見られていたという。

ドイツは第一次世界大戦で敗戦国となり、ヒトラー自身も完全に打ちのめされた。右翼勢力が唱えたように、敗戦した理由を「悪いのは社会主義者とユダヤ人」と結論付けた。
国内で変化と不安が続く中、大勢が軍から去ったが、ヒトラーは残ることを決意。政治思想を啓発し、指導者を育てる教育を軍で受ける。その後、兵士を啓発する講師に任じられ、扇情的な思想教育で著しい成果を上げた。その過程で磨かれたのが、後に彼の武器となる演説術だった。

1919年に結党されたドイツ労働党の調査を命じられたヒトラーは、集会で弁舌の才能を発揮すると同時に過激な反ユダヤ的思想も受け入れ、この調査期間中に政治活動にのめり込んでいく。やがて、巧みな演説により党で重要な役割を担うようになり、プロパガンダの責任者に任じられた。

関連記事
新着くらしまとめ
もっと見る
記事配信社一覧
facebook
Facebook
Instagram
Instagram
X
X
YouTube
YouTube
上へ戻る
エキサイトのおすすめサービス

Copyright © 1997-2024 Excite Japan Co., LTD. All Rights Reserved.