2015年8月26日 15:03
「プラトーンM」ロケットの打ち上げ失敗 - 斜陽に沈むロシアの宇宙開発
一番最近でも2000年にあったぐらいで、プラトーン・ロケットの運用が始まった1960年代から見ても、数えるほどしか例がない。少しでも遅れを回復しようという焦りが見える。
さらに、これらの打ち上げのほとんどには、「ブリースM」という上段が使われるが、エクスプリェースAM8だけに限っては「ブロークDM-03」という上段が使われることになっている。この両者はまったく異なる機体で、ただでさえ忙しい中に、勝手が異なる2種類のロケットが入ってくることになる。2010年には、いつもと違う上段の打ち上げ準備において、作業員がいつもと同じように推進剤を入れたところ、規定値を超えて入れ過ぎてしまい、それが原因で打ち上げが失敗するという事故が起きており、やや不安なところではある。
そしてさらに、2016年1月7日から27日の間には、欧州とロシアが共同で開発した火星探査機「エクソマーズ2016」の打ち上げも予定されている。もちろん失敗も許されないが、何よりも他の衛星と違い、火星探査機は地球と火星の軌道の都合上、打ち上げられるタイミングは約2年2カ月ごとにしか巡って来ず、何らかの理由で打ち上げが延び、2016年1月を逃すことも許されない。